子どもが料理に対して「まずい」と言ってしまう

「まずい」という言葉。

なかなかストレートな言葉ですよね。

どこかでその言葉自体を覚えて、自分が何かしら不快になる原因があるものを食べた時に

発する言葉です。

 

子育てなど子どもと関わる際に否定はいけないと言われていますが

だからと言って「まずい」と言ったことに対して

「自分の感じたことを言えたね!」というような肯定もこの場合は違うように思います。

頭ごなしに「『まずい』って言っちゃダメでしょ!」と怒りましょう、いうことでもなく

その子の人格やその子自身を否定するものは良くないのですが

言うと誰かが悲しくなるようなものはできるだけ避けたいですね。

 

どんなところがイヤなのか、不快に感じているのかをそれを受け取って認めつつ

その「まずい」という言葉を発することによって

例えば、それをおいしいと思っている人が、おいしいと思っているのに恥ずかしくなってしまったり

悲しくなってしまったり

食べ物は何かしら作った(食材そのものであれば育てた)人がいて、

頑張って作った人が「まずい」と言われたらやっぱり悲しくなる、ということを

伝えてほしいなと思います。

いろんな状況があるので、作った人が正直な感想を求めていて「まずい」と言われても構わない、ということもあります

 

もちろん、口に合わないものなのに「おいしい」と言いましょうね!!

と伝えることが必要ということでもありません。

過去にネットで「『まずい』って言わずに『口に合わない』って言おうね!

と言ったら喜々として『口に合わない』と連発するようになった」

という話を読んだことがあるのですが、言い方・伝え方が大切である一方で

やはり何が根本的に良くないのかを伝える必要があると感じます。

 

 

「自分が逆(育てた・作った)の立場だったらどう思うかな?」

を一度考えることを促してもいいのではないでしょうか。

ただ、この相手の気持ちを考える力が確立してくるのは

5歳頃と言われています。

しかも5歳になったから急に相手の気持ちもわかる!

というものでもなく、それまでにもその後にも大人が促していくことが必要で、

促しても3歳くらいのお子さんが人の気持ちを考えられるかと言うと難しいということはあります。

逆に考えられる年齢ではあるけれど、諭されたこと自体に対して不愉快になってしまい

「別に何とも思わないし!いいと思うし!」と言う子もいると思います。

 

繰り返しになりますが

食べ物に対してだけでなく

それを発することによって、言われた人、周りの人はどんな思いをするだろうかと

想像することは大人自身も大切、またそれを子どもに伝えるのが大切ですね。

 

 

他人の気持ちを推し量る、ということも

食からでもできること。

それも食育の一つなのです。

 

ちなみに、その「まずい」は何が不快に思ってるのかを聞いて掘り下げていくと

好き嫌い克服の一歩へとつながります。

「どんなところがまずいの?」

と聞くとうーーん・・・と答えられない子もいます。そう考えると「まずい」って簡単で使いやすい言葉なんだな、と感じます

聞いていくと、実は味、というわけでなく

香りであったり、素材に含まれる水分の感じ方・食感(ぐちゃっとする、じゅわっと出てくる、逆にパサパサする)

そもそも実は味ではなく見た目が受け入れられないなど

お子さんの苦手ポイントがわかればそこをまずカバーできるような調理にすると良いですよ。

 

 

 

 

関連記事